弁護士ホームページ作成で何を書くべきか? 集客につながるコンテンツ設計と注意点を解説

弁護士ホームページ
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この記事の監修者
鈴木潤 上級ウェブ解析士
【現職】 エファタ株式会社 Webディレクター
【専門】 士業向けデジタルマーケティング / 法務知見を活かしたWeb戦略 / 情報セキュリティ / ウェブ解析
【経歴】
・学術背景:早稲田大学 理工学部卒業/早稲田大学大学院 理工学研究科化学専攻修士課程修了
同大学院先進理工学研究科化学・生命化学専攻博士課程満期退学
・キャリア:SEOコンサルタントとして起業後、IT企業にてBCP・ポータルサイト運用を歴任
・現職: 士業特化のWeb制作・解析業務を統括
【保有資格】
・R6行政書士試験合格者(未登録)
・上級ウェブ解析士 / Google アナリティクス認定資格 / IMA検定
・情報セキュリティ管理士 上級
・デジタル推進委員(デジタル庁)
プロフィール

弁護士がホームページを作成する際、「デザインをどうするか」「費用はいくらかかるか」に目が向きがちです。しかし、集客につながるかどうかを左右するのは、何よりも「コンテンツ=何を書くか」です。

さらに、弁護士のホームページには一般的なビジネスサイトと異なる重要な前提があります。それが日本弁護士連合会(日弁連)の広告規制です。規制を知らずに作成したホームページは、集客どころか懲戒リスクを招くこともあります。

この記事では、弁護士ホームページに必要なコンテンツの構成と、制作時に知っておくべき注意点を、業界専門の制作会社の視点から解説します。

弁護士ホームページに必要な7つのコンテンツ

公式ホームページに最低限必要なコンテンツは以下の7つです。それぞれの「書くべきポイント」と「よくある失敗」を整理します。

 事務所の強み・理念(選ばれる理由)

訪問者が最も知りたいのは「なぜこの事務所に依頼すべきか」です。しかし多くのホームページでは、「親身に対応します」「迅速に解決します」「費用が明瞭」といった抽象的な言葉が並ぶだけで、差別化になっていません。

書くべきこと:

  • どのような背景・経験からこの分野に注力しているのか
  • 事務所として大切にしていること(理念・方針)
  • 他の事務所と何が違うのか(具体的な特徴)

ポイントは「具体性」です。「相続問題に強い」ではなく「相続問題の相談件数が年間件を超え、遺産分割調停の経験が豊富」のように、裏付けのある表現を心がけましょう。

弁護士プロフィール(経歴・実績・人柄)

弁護士を選ぶ際、依頼者は「この人に任せて大丈夫か」を確認します。プロフィールは信頼形成の核となるページです。

書くべきこと:

  • 出身大学・法科大学院・司法試験合格年
  • 所属弁護士会・登録番号
  • 得意分野・注力分野とその理由
  • 過去の職歴(企業法務経験、検察官経験など)
  • メッセージ・人柄が伝わる一言

写真は必ず掲載しましょう。顔が見えるかどうかで、問い合わせ率が大きく変わります。プロのカメラマンによる撮影を推奨します。

取扱業務一覧(専門分野の明示)

「何でも相談できます」は一見親切に見えますが、SEOの観点でも、依頼者の判断の観点でも逆効果です。取扱業務(力を入れている分野・得意分野)は明確に分類して記載しましょう。

書くべきこと:

  • 業務カテゴリ(離婚・相続・交通事故・刑事・企業法務 など)
  • 各業務の概要と、事務所の対応方針
  • 注力分野は他のページより詳しく記載する

専門分野ごとに独立したページ(専門サイト)を設けると、SEO効果が高まります。公式サイトは「入口」、専門サイトは「詳細案内」という役割分担が有効です。

解決事例(守秘義務への配慮方法も解説)

解決事例は、依頼者の「この事務所なら自分の問題も解決できそう」という期待を高める、最も説得力のあるコンテンツです。

書くべきこと:

  • 相談内容の概要(匿名化・一般化して記載)
  • 事務所の対応・方針
  • 結果・解決内容
【守秘義務への対応】

解決事例を掲載する際は、以下の点に注意して匿名化処理を行ってください。

・氏名・年齢・職業・居住地など、個人が特定できる情報は削除または変更する

・事件の詳細(日時・場所・相手方など)は一般化して記載する

・可能であれば、依頼者本人の承諾を得ることが望ましい

・弁護士職務基本規程第23条(秘密保持義務)を遵守すること

弁護士費用(透明性が信頼につながる)

費用が不明確なホームページは、問い合わせのハードルを上げます。「相談してみないとわからない」という不安が、離脱につながります。

書くべきこと:

  • 相談料(無料・有料の別、無料の場合は時間・回数の条件)
  • 着手金・報酬金の目安(業務別)
  • 費用の計算方法・考え方
  • 法テラス(法律扶助)の利用可否

正確な金額が出せない場合でも、「目安」や「考え方」を示すだけで信頼度が高まります。

相談の流れ・アクセス

「どうすれば相談できるのか」が直感的にわかるページは、問い合わせ率の向上に直結します。

書くべきこと:

  • 問い合わせ方法(電話・メール・LINE・フォームなど)
  • 初回相談の流れ(問い合わせ日程調整面談方針決定)
  • 事務所へのアクセス(最寄り駅・地図・駐車場情報)
  • 対応可能な相談方法(来所・電話・オンライン)

よくある質問(FAQ

FaqPageスキーマを実装したFAQは、Googleの検索結果にリッチリザルトとして表示される可能性があり、SEO上の効果があります。

書くべき内容の例:

  • 「弁護士と司法書士の違いは何ですか?」
  • 「初回相談は無料ですか?」
  • 「依頼後に気が変わったらキャンセルできますか?」
  • 「相手方に弁護士がいる場合でも相談できますか?」

FAQは依頼者の不安を先回りして解消するコンテンツです。問い合わせ前の「背中を押す」役割を果たします。

【必読】弁護士広告には厳格な規制がある

弁護士のホームページは「広告」として扱われます。そのため、日弁連の定める「弁護士の業務広告に関する規程」(以下、広告規程)を遵守しなければなりません。

規制を知らずに作成したホームページは、集客どころか弁護士会への懲戒申し立ての対象になるリスクがあります。

広告規程が禁止している主な表現

広告規程第4条では、以下の広告を禁止しています。

  • 事実に合致しない広告
  • 誤導または誤認のおそれのある広告
  • 誇大または過度な期待を抱かせる広告
  • 法律事務の依頼を過度に誘発するおそれのある広告
  • 不特定多数の者に対してファックスや電子メールを送信する方法による広告

NG表現とOK表現の比較

具体的にどのような表現がNGで、どう言い換えればよいかを示します。

NG表現 具体例 OK表現の方向性
最上級表現 「日本一の実績」「No.1弁護士」「最も頼れる」 「離婚相談件数500件以上の実績(自社調べ)」など、根拠を明示
勝訴保証 「必ず勝てます」「解決を保証します」 「解決に向けて全力でサポートします」
他との比較 「他の事務所より費用が安い」 「費用の目安は○○円〜(初回相談無料)」と自社情報のみ記載
誇大実績 「困難事件も解決!」「どんな事件も対応可」 ○○分野の相談実績:年間件」と具体数字で
根拠不明の専門性 「専門家が対応」「専門弁護士が解決」 「弁護士登録年。○○分野を中心に取り扱っています」

 

【所属弁護士会の規程も確認を】

日弁連の広告規程に加え、各弁護士会(単位会)が独自の広告指針を設けている場合があります。

たとえば第二東京弁護士会・東京弁護士会などでは、細則が異なるケースがあるため、

所属弁護士会の規程も必ず確認してください。

 規制の中で「強み」を伝える書き方

規制があるからといって、差別化ができないわけではありません。重要なのは「根拠のある具体性」です。

  • 「実績豊富」「相続案件の相談件数:年間件以上(20XX年実績)」
  • 「迅速対応」「初回ご連絡から24時間以内に折り返し(土日対応可)」
  • 「親身な対応」「弁護士本人が一貫して担当。依頼者への報告を月1回以上実施」

数字・事実・具体的な方針で語ることで、規制の範囲内で十分に強みを伝えられます。

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集客できるホームページにするための3つの設計原則

検索キーワードから逆算したコンテンツ設計

依頼者がどのようなキーワードで検索するかを把握した上で、コンテンツを設計することが重要です。

例えば「離婚 弁護士 ○○市」「相続放棄 手続き 費用」のように、悩みと地域・費用を組み合わせた検索が多く見られます。これらのキーワードをカバーするページ構成にすることで、検索流入が生まれます。

  • ロングテールキーワード(悩み×地域×費用など)を意識したページ設計
  • 各取扱業務に専用ページを設ける
  • タイトルタグ・メタディスクリプションに主要キーワードを含める

② YMYLサイトとしてのE-E-A-T対策

弁護士ホームページは、Googleが定める「YMYLYour Money or Your Life)」に分類されます。健康・法律・お金など、人の人生に大きく影響する情報を扱うサイトは、特に厳格な品質基準で評価されます。

Googleが重視するE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)を高めるために必要なこと:

  • 弁護士登録番号・所属弁護士会を明記する
  • 著者情報(弁護士プロフィール)を各記事・ページに紐づける
  • 監修者として弁護士名を明示する
  • 外部メディアへの掲載・インタビュー実績をサイトに反映する
  • org(構造化データ)でLegalServicePersonFAQPageを実装する

 公式サイトと専門サイトの役割分担

現在、集客力の高い法律事務所の多くは、「公式サイト」と「専門サイト」を分けて運用しています。

  • 公式サイト:事務所全体の情報・信頼性の拠点
  • 専門サイト:離婚・相続・交通事故など分野別の深い情報+集客の拠点

専門サイトは特定の検索キーワードに絞ってコンテンツを展開できるため、SEOでの上位表示が狙いやすくなります。ただし、専門サイトでも日弁連の広告規程は同様に適用されます。

まとめ

弁護士ホームページの作成において重要なポイントを整理します。

  1. コンテンツ設計が集客を左右する:デザインより「何を書くか」が重要
  2. 7つの必須コンテンツを揃える:強み・プロフィール・業務・事例・費用・流れ・FAQ
  3. 日弁連広告規程を必ず確認する:規制を知らないことによるリスクを避ける
  4. 規制の中でも具体性で差別化できる:数字・事実・方針で語ることが鍵
  5. SEO設計を最初から組み込む:YMYLE-E-A-T・キーワード設計を意識する

弁護士ホームページの制作は、法律業界への理解とWebマーケティングの両方が求められます。当社エファタは、弁護士・法律事務所専門のWeb制作会社として、日弁連広告規程を踏まえた上で集客につながるホームページの設計・制作・SEO支援を行っています。

「今のホームページからの問い合わせが少ない」「これから独立開業するので一から作りたい」など、どのような段階でもお気軽にご相談ください。