法律事務所の Google 口コミ返信|守秘義務に触れない書き方と例文

Webマーケティング
地図の口コミと、鍵のついた事務所の返信のイラスト
この記事の監修者
鈴木潤 上級ウェブ解析士
【現職】 エファタ株式会社 Webディレクター
【専門】 士業向けデジタルマーケティング / 法務知見を活かしたWeb戦略 / 情報セキュリティ / ウェブ解析
【経歴】
・学術背景:早稲田大学 理工学部卒業/早稲田大学大学院 理工学研究科化学専攻修士課程修了
同大学院先進理工学研究科化学・生命化学専攻博士課程満期退学
・キャリア:SEOコンサルタントとして起業後、IT企業にてBCP・ポータルサイト運用を歴任
・現職: 士業特化のWeb制作・解析業務を統括
【保有資格】
・R6行政書士試験合格者(未登録)
・上級ウェブ解析士 / Google アナリティクス認定資格 / IMA検定
・情報セキュリティ管理士 上級
・デジタル推進委員(デジタル庁)
プロフィール

地図で「(地域名) 弁護士」と探した人は、まず★の数と口コミの件数を見て、次に口コミの中身と、それに対する事務所の返信を読みます。口コミへの返信は、相談先を選ぶ人に事務所の姿勢を伝える数少ない場所です。

ところが、法律事務所の返信は、飲食店や美容室と同じようにはいきません。「ご来店ありがとうございました」「担当の者にも伝えます」といった一般的な返信が、そのまま相談や依頼の事実を明かしてしまうことがあるからです。

この記事では、法律事務所が Google の口コミに返信するときに、守秘義務に触れないための書き方を、★の数ごとの例文とあわせて解説します。あわせて、返信より先に見ておきたい「口コミが何を言っているか」の整理と、口コミを増やすときの注意点もまとめました。

弁護士ホームページ制作サービス「LEAGO」を運営し、法律事務所の口コミと地図での出方を点検している当社の立場からお伝えします。

法律事務所の返信が難しい理由

依頼を受けたこと自体が、秘密にあたりうる

弁護士法第23条は、弁護士が職務上知り得た秘密を保持する義務を定めています。弁護士職務基本規程にも、依頼者について職務上知り得た秘密を、正当な理由なく他に漏らしたり利用したりしてはならない、という定めがあります。

法律の相談は、離婚・借金・刑事事件など、人に知られたくない内容がほとんどです。そのため、その人が事務所に相談した・依頼したという事実そのものが、本人にとって知られたくない秘密になりえます。

口コミを書いた人が自分から相談の事実を書いていても、事務所の側から「ご依頼いただき」「担当した件では」と返せば、事務所がその事実を認めたことになります。

反論すると、相談の中身に触れてしまう

いちばん危ないのは、★1 の厳しい口コミに言い返す返信です。「ご説明は十分にしております」「見通しについては初回にお伝えしました」と書いた時点で、相談があったことと、そのやり取りの中身を明かしています。

口コミの内容が事実と違っていても、公開の場で事実を正すことはできません。この点が、一般のお店との一番大きな違いです。

返信も、事務所の広告として読まれる

返信は事務所の名前で公開され、相談先を探す人が読みます。「必ず解決します」「どこよりも実績があります」といった言葉は、返信の中でも使わないようにします。

返信に書いてはいけないこと

返信を書いたら、公開する前に次の点を確かめてください。

  • 相談・依頼を認める言葉:「ご依頼いただき」「ご相談の際は」「担当した件」「ご来所の際」など
  • 事件の中身:離婚・借金・刑事などの分野、手続きの内容、結果、金額
  • 本人や相手方が分かる手がかり:日付、場所、担当した弁護士の名前と事件の組み合わせ、相手方の情報
  • 口コミの中身への反論:「そのような事実はありません」「説明はしております」
  • 相談がなかったことを示す言葉:「当事務所にご相談の記録はありません」も、相談の有無を明かす点では同じです
  • 結果を約束する言葉:「必ず」「確実に」「勝てる」など

★の数ごとの返信の型と例文

どの例文も、相談・依頼があったかどうかに触れない形にしています。事務所の方針に合わせて言葉を調整してお使いください。

★5・★4:評価へのお礼にとどめる

良い口コミへの返信は、評価そのものへのお礼にとどめます。口コミに書かれた出来事には触れません。

例文:

温かいお言葉をいただき、ありがとうございます。いただいた評価を励みに、これからもお一人おひとりのお話に丁寧に向き合ってまいります。

★3:受け止めと、改善の姿勢だけを書く

良い点と不満が混ざった口コミには、受け止めたことと、事務所として改善に努めることだけを書きます。

例文:

率直なご意見をお寄せいただき、ありがとうございます。いただいたご意見は事務所内で共有し、より分かりやすいご説明と、ご連絡の早さの改善に努めてまいります。

「ご説明」「ご連絡」のように、事務所全体の取り組みとして書き、その人とのやり取りの話にしないのがポイントです。

★1・★2:反論せず、連絡の窓口だけを示す

厳しい口コミほど、短く書きます。事実関係には触れず、守秘義務のためにこの場で答えられないことと、連絡の窓口だけを示します。

例文:

ご意見をお寄せいただき、ありがとうございます。当事務所では守秘義務の観点から、個別の事柄についてこの場でお答えすることを控えております。お気づきの点がございましたら、お手数ですが事務所までお電話でご連絡ください。

返信しないほうがよい場合

次のような口コミには、返信しないという選択もあります。

  • 本人が、相談の分野や事件の中身を詳しく書いている口コミ(返信すると、その中身を事務所が認めたように読まれる)
  • 相手方や関係者と思われる人の口コミ
  • 内容がポリシーに反している口コミ(この場合は、返信ではなく Google への報告を検討します)

すべての口コミに返信するか、どの口コミにも返信しないか、という方針を先に決めておくと、「返信がない口コミは何かあったのでは」と読まれにくくなります。

返信より先に見ること:口コミは何を言っているか

返信の書き方を整えても、★の数そのものは上がりません。★を上げるのは、口コミで指摘されている点を、事務所の仕事の中で直すことです。

口コミの不満は、7つの点に分かれる

法律事務所の口コミを読んでいくと、褒められる点も不満の点も、おおむね次の7つに分かれます。

点 口コミでよく出る言葉の例
連絡・速さ 返事が早い/折り返しがない/進み具合が分からない
説明・見通し 分かりやすい/専門用語ばかり/見通しを聞けなかった
仕事の丁寧さ 書類が丁寧/確認が足りない
態度・寄り添い 親身/話を聞いてくれない/高圧的
費用の分かりやすさ 最初に説明があった/後から費用が増えた
体制 担当が代わった/事務員の対応/電話がつながらない
結果 期待どおりだった/思ったより悪かった

自分の事務所の口コミを、この7つに分けて数えてみてください。指摘が集まっている点が、いちばん効く改善点です。たとえば「連絡・速さ」の指摘が多いなら、返信の文面を工夫するより、折り返しの期限を事務所の決まりにするほうが、次の口コミを変えます。

「相談だけの人」と「依頼した人」で、言われることが違う

相談だけで終わった人は、最初の電話の対応・態度・説明の分かりやすさについて書くことが多く、依頼した人は、連絡の頻度・費用・結果について書くことが多くなります。

どちらの声が多いかで、直す場所が変わります。相談だけの人の不満が多いなら、最初の電話や初回相談の流れを、依頼した人の不満が多いなら、依頼後の連絡の決まりを見直します。

口コミを増やすときに、やってはいけないこと

口コミの件数は、地図での出方にも関わります。ただし、増やし方には Google のポリシー上の決まりがあります。

  • 見返りを出す:口コミを書いてもらう代わりに、割引や謝礼を出すことは禁止されています
  • 満足した人だけを選んで頼む:良い口コミを選んで集めることも禁止されています
  • 事務所の人や関係者が書く:今の・過去の雇用関係や契約関係にある人の投稿は、利益相反にあたるとされています

法律事務所では、頼み方にも配慮が要ります。公開の場で頼んだり、相談の事実が周りに分かる形で連絡したりするのは避け、事件が終わったときに、本人に直接、無理のない形でお願いするのが基本です。

地図での出方と口コミ

Google は、地図での順位が主に関連性・距離・知名度の3つで決まると説明しています。知名度には口コミの件数と評価も含まれ、口コミが多く評価の高いビジネスは順位が上がりやすい、とされています。

ここで大事なのは、近くの事務所と比べてどうかです。★4.5 でも、近くの事務所が★4.6・200件なら、地図の上位3件には入りにくくなります。また、地図の順位は探す人のいる場所で変わるため、事務所の前では1位でも、駅の反対側では圏外ということもあります。

口コミの無料点検を行っています

「自分の事務所の口コミが、何を言われているのか整理したい」「返信が守秘義務の点で大丈夫か確かめたい」という先生のために、当社ではGoogle 口コミの無料点検を行っています。

  • 口コミの中身の整理:すべての口コミを7つの点に分け、褒められている点と、指摘が集まっている点を示します
  • 返信の点検:返信の有無と、相談の事実や中身に触れていそうな返信がないかを確かめます
  • 近くの事務所との比べ:★の数と口コミの件数が、近くの事務所の中でどの位置にあるかを示します
  • 地図での出方:事務所のまわりの地点ごとに、主な検索で地図の上位3件に入っているかを測ります
  • 報告書と打ち合わせでお伝え:結果を報告書にまとめ、打ち合わせ(オンラインも可)で、直す所を優先する順にご説明します

法律事務所のホームページ制作と、ポータルサイトの運用で、相談者がどこを見て事務所を選ぶかを見てきた当社が、同じ業界の目で点検します。

口コミの無料点検のお申し込み・ご相談はこちら

まとめ|返信は「事実に触れない」、改善は「口コミの中身から」

  • 返信では、相談・依頼の事実を認めない。事件の中身にも、口コミへの反論にも触れない
  • ★の数ごとに型を決めておく。良い口コミにはお礼だけ、厳しい口コミには短く窓口だけ
  • ★を上げるのは、返信ではなく改善。口コミを7つの点に分け、指摘が集まる点を直す
  • 口コミの増やし方は、Google のポリシーを守る。見返り・選んで頼む・関係者の投稿はしない
  • 近くの事務所と比べて見る。地図の順位は、★と件数の比べと、探す人のいる場所で決まる

まずは、ご自身の事務所の口コミとこれまでの返信を、この記事のチェックリストで見直してみてください。